米創薬ベンチャー企業である4589アキュセラ・インクの暴落が止まりません。昨日から値幅制限の拡大措置が取られており、31日終値は1,400円安の1,990円と前日比40%超の下落となっていますが、それでもストップ安の比例配分・・ 800万株以上の売りを残しており、需給ギャップは依然大きいままです。
ただ昨日投資家向けのIRで「他の進行中の主な研究開発を中断する予定はない」という発表がされました。
現在エミクススタトは糖尿病網膜症を適応とした第2相臨床試験が進行中(と言っても5月に米国でプロトコールが承認されたばかり)ですが、主要評価項目は"サイトカイン発現レベルの変化"とおよび"網膜の血管新生における変化"です。
糖尿病網膜症に対しては抗VEGF抗体で血管新生抑制の報告が多く上がっており注目を集めています。既にラニビズマブやアフリベルセプトが糖尿病黄斑浮腫や網膜中心静脈閉塞症(CRVO)に伴う黄斑浮腫に適応を追加取得しており、その際の主要評価項目は「視力改善」「視覚に関連した健康関連QOL」「視力矯正」でした。ラニビズマブは増殖性糖尿病性網膜症でも米国で開発試験を実施していますが、「血管新生抑制」は副次的評価項目で、エミクススタトの開発試験とは異なっています。
フィブラート系薬剤でも網膜症進展抑制効果が確認されており、上市まで進めても激しい競合に晒されるかもしれません。
この表で少し面白いと思うのが"POC"が第3相試験の後に記載されている点です。POCとは治療コンセプトをヒトで証明する事で第2相前期試験が該当しますので、上市とは異なります。ラノステロールやオプトジェネティクスは"前臨床"の段階なので、途中マイルストンはあっても恐らく上市は2025年頃になるのではないでしょうか。「夢を買うのがバイオ株」と感じていますが、収益化への道のりはまだまだ長いかもしれません。
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