"中国製"はもはや低コストの代名詞ではありません。多くの産業で生産コストを抑え国際競争力を高めるために中国等への生産移転が進められてきましたが、近年では状況が変化しています。
生産コストの競争力を決定付ける要因はいくつかありますが、最も大きいのは人件費です。多くの国の賃金上昇率が年2〜3%に留まる中、低賃金であった中国やロシアでは10年以 上に亘って年 10〜20%の上昇が続き、賃金の競争優位性が大幅に低下しています。生産性を高めれば人件費の上昇を相殺する事が出来ますが、中国でのそれが追いついていないのが現状です。労働者1人当たりの生産高は、米国では2003年から2016の間で40%上昇し、ドイツでは25%、英国では30%の上昇となっています。インドや中国での生産性も倍程度となっていますが、米国ではそれら2国よりも更に90%程高い水準となっています。
現在の中国の生産コスト優位性は米国に比べて5%程しかないと言われています。また米国自体が労働力の競争優位性の高さとエネルギーコストの低さから、"低コスト国"と見なされています。両国の差は徐々に小さくなっており、今後10年の間に逆転すると考えられています。
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