TIME誌の最新号ではアルツハイマー型認知症の治療薬の開発最前線について紹介されています。
アルツハイマー病が初めて報告されたのは1906年ですが、2000年以降も200以上の化合物で臨床試験が実施されているものの現在に至るまで特効薬と呼ばれる薬剤はありません。アミロイドやタウタンパクに作用するタイプの薬剤がほとんどですが、動物実験では劇的な効果があるものの、ヒトでは効果が得られない事が多く開発は難渋しております。アルツハイマーの患者さんでは全例でアミロイド蓄積が認められるのに対して、アミロイドが蓄積している患者さんでのアルツハイマー発症は70%程度と乖離がある事も分かっており、基礎研究の更なる進展にも大きな期待が寄せられています。
現在米国では85歳以上の高齢者の1/3がアルツハイマー病の影響を受けていると言われており、世界全体では5000万人もの患者さんがいると推計されています。そして世界的に進む高齢化の流れにより、この数は益々増えると考えられています。
そのような中、現在開発中の薬剤の中にはアルツハイマー型認知症を根本から治療出来る可能性のある薬剤がいくつか存在します。米・Longo博士の率いるPharmatrophiX社が臨床試験を進めている"LM11A-31 (C31)"もその1つ。P75と呼ばれる受容体に作用し細胞死を導くアミロイドのシグナル伝達を抑制する事で、これまでの薬剤と異なり脳細胞を強化する事に主眼を置いた薬剤です。アルツハイマー病の進行は不可逆的と言われていましたが、LM11A-31を投与されたマウスでは脳細胞の"回復"が認められたそうです。健常者72人で行われた第1相試験では安全性が確認され、次はいよいよ実際の患者さんでの記憶や思考の改善効果を観る試験が実施される予定。その結果には世界的な注目が集まりそうです。
アルツハイマー型認知症の根治療法が可能になればノーベル賞級の大発見!PharmatrophiX社に直接投資する事は出来ませんが、以前バイオバブルが起こったように関連銘柄への波及効果は期待出来るかも・・
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