原油価格は2月の1バレル27.1ドルからわずか3ヶ月で46ドルまで70%上昇しましたが、これは投機的な売買が主な原因です。原油は現在市場動向でその価格が決定していますが、中でもウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)の価格はアメリカ国内の原油現物市場を反映したものです。
WTIは米国内の全原油生産量の5~6 %、世界全体の原油生産量の1 %前後を占めるのみですが、その価格は世界の原油価格の中で最も有力な指標となっています。先物市場でも取引されており、WTI原油先物市場は世界の株式市場の0.1%程度の市場規模と言われながら、不安定な原油の動きに世界の株式市場が振り回されている状態が続いており、影響力も高まっています。
このWTI市場では1日の取引量が実際の産出量の100倍以上と多額の投機マネーが流れ込んでいるため、短期的な価格動向を決定し、また短時間に何度も売買を繰り返すためボラティリティも非常に高くなっています。
原油の投機筋のポジション動向は週毎に米国商品先物取引委員会から報告されていますが、4月26日分データでは大口投機玉はネットで334,265枚の買い越しで大きく偏った状態となっています。これらのロングの建玉は反対売買する必要がありますので、将来的には価格下落圧力として働きます。
また調査機関であるYardeni Research社のデータからは、2016年も原油在庫は増えており供給過剰状態が続く事が示唆されています。米・エネルギー情報局(EIA)の報告では、この供給過剰は下期に和らぐと予測していますが、供給量が増加すれば更に時間を要する事になります。
そのような事から投機的な動きで更に価格上昇をもたらす事は難しいと考えられており、現在のラリーが終息し、近い将来1バレル36~38ドル程度に下落する事が予想されます。
⇒http://oilprice.com/Energy/Oil-Prices/Why-Oil-Prices-Will-Likely-Drop-Below-40-Soon.html
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